デジタルガバナンス・コード3.0とは?
デジタルガバナンス・コード3.0は、経済産業省が2024年9月に公開した指針です。このコードは、企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、企業価値を向上させるために必要な事項を示しています。5つの重要な柱を中心に、DX経営の推進方法が明確に定められており、この記事ではその5つの柱と全体像について解説します。
DX経営に求められる5つの柱

デジタルガバナンス・コードの全体像(経済産業省)
1. 経営ビジョン・ビジネスモデルの策定
今ある経営理念を大切にしながら、デジタル技術をどのように活用していくか将来のメリットやリスクを一緒に考えてみましょう。
業界の動きや市場の変化、お客様のニーズの変化、新しい技術がもたらすチャンスについて、社長を中心に話し合うことが大切です。
DXに取り組むというより、デジタルを利用して業務を改善するイメージです。
デジタル化への取り組みを通じて、長期的な目標と具体的な行動計画を立て、会社全体で共有しながら、新しい経営の形への挑戦です。
2. DX戦略の策定
DX戦略を実行するためには、次の3つのステップが大切です:
もし今すぐ使えるデジタルデータが少ない場合は、まず紙の資料を見直すところから始めましょう。
どの情報から電子化するのが良いか、優先順位をつけて段階的に進めていきます。
その際、業務の効率化や新しい価値を生み出せる可能性を考えながら計画を立てることが重要です。
データを会社の大切な資産として扱います。経営者は、このデータをどう活用するか自ら決定し、社内に共有して推進していく必要があります。
データは会社の競争力を高める重要な要素です。そのため、経営者はデータ活用計画の作成から実行まで、積極的に関わることが大切です。
3. DX戦略の推進
推進にはさらに3つの項目に分かれています。
①組織づくり
会社全体でDXを進めるための土台作りです。部門同士が情報を共有しやすい環境を作ることが大切です。自社だけで難しい場合は、外部の専門家や他の企業と協力して進めることをお勧めします。
②人材育成と確保
DXを成功させるためには、適切な人材が必要です。
特に中小企業では、日々の仕事が忙しくてDXに時間が取れない、またはデジタルに詳しい人材が不足しているという課題があります。
経営者がDXの重要性を理解し、社員の教育や、必要に応じて外部の協力を検討しましょう。
③セキュリティ対策
DXを進める上で、情報セキュリティは非常に重要です。
システムやデータを安全に保つため、しっかりとした対策が必要です。
サイバー攻撃や情報漏えいの危険性は年々増えており、適切な対策を取らないと会社全体に大きな影響が出る可能性があります。
定期的にセキュリティ対策を見直すことが大切です。
4. 成果指標の設定・見直し
DXの進み具合を確認するには、次の3つのステップで進めます:
目標を設定、実行、定期的に成果を確認し、目標を修正します。DXの取り組みは、「一歩一歩。わずかに上昇している螺旋階段を上るイメージです」。各ステップで少しずつ改善を重ねていきます。
まず会社の基本となる5つの要素(「人」「物」「お金」「情報」「時間」)の現状を見える化し、詳しく調べます。この調査によって、会社の強みと弱みが見えてきます。そこで会社として今、何に取り組むことが優先なのかを明確にします。経営者は現場の意見を聞きながら、何から始めるべきかを決めていきます。
5. ステークホルダーとの対話
DXを進めるには、会社の関係者全員と定期的に情報を共有することが大切です。具体的には、株主、従業員、お客様、取引先、銀行などに対して、以下のような情報を分かりやすく伝えます:
• 現在のDXの進み具合 • 直面している問題点 • これからの計画
特に大切なのは、一方的な報告だけでなく、関係者からの意見や提案も積極的に聞くことです。このような双方向のやり取りを通じて、お互いの信頼関係を深め、長く続く協力体制を作ることができます。
また、関係者から集めた意見は、DXの進め方を見直したり改善したりする際に活用することで、より良い結果を生み出すことができます。
初めの一歩を踏み出すために
デジタルガバナンス・コード3.0は、企業が自身の現状を可視化し、具体的なアクションを明確にするための指針を提供しています。
ただし、DX推進の順序は三者三様。可視化を行った結果によって企業ごとに異なる可能性があります。
現状分析や関係者からのアドバイスを基に、一歩ずつ進めていくことが大切です。
DX推進のはじめの一歩に悩む企業にとって、第三者の視点を取り入れることで現状を客観的に把握し、進める方向を明確にすることが有効です。
作業家enishiでは、現状の可視化のサポートをしています。ぜひ気軽にお問い合わせください。
参考サイト:デジタルガバナンス・コード(経済産業省)
※この記事は、講演を聞きながらとったメモをもとにNotion AIで文章を作成した後、修正を加えています。
コメント